MR 10
1本のステンレスパイプと2枚の革で創られた、片持構造の椅子。
Miesは、この少ない要素に、これ以上ないかと思わせる豊かさを与えている。
パイプの描く曲線と革の直線は、柔らかさと美しい均衡を感じさせる。
ここに腰をおろすと、パイプの片持構造と革シートのたわみによって、適度なクッションが与えられ、
心地よい感覚を覚えることだろう。
1925年、Marcel Breuerが世界初のパイプ椅子、Wassily chairを世に送りだした。
1926年、Mart Stamがパイプによる片持構造の椅子を生み出し、その翌年このMR10をMiesが創った。
1927年の原仕様ではニッケルメッキのスチールパイプにウール張りだったようだ。
籐張りタイプはTHONET(AIDEC 03-3499-4486)にある。